例えば、私たちが英語圏の教師から英会話を学ぼうとするとき、何を一番にその教師に求めますか。その教師の何が気になりますか。まずはその教師が私たちにしっかりと英会話を身につけてくれるかどうかでしょう。具体的には以下のようなことではないでしょうか。
- 英語の発音が、はっきりしていてわかりやすいこと。
- 学習者個人の発音のクセや誤りを、きちんと聞き分けられ、訂正できること。
- テキストをしつかり把握していて、それを参考にしながらも、あまりテキストにとらわれないこと。
- すぐ使える例文を、豊富に提示できること。
- 日本語を知っていても、あまりそれを口にしないこと。使うときは間違いのないこと。
- ホワイトボードには正しいスペルで、きれいに書き、すぐ消さないこと。
- 質問を快く受けながらも、一対一の質疑に終わらずクラス全員で共有すること。
- 学習者一人一人の上達進歩に関心をはらうこと。
本講座も上記のような教師が理想として日本語教師の養成を目指します。学習者からすればそれで十分であり、誰もその教師の出身大学やどんな修了証書、合格証書を保持しているかなどは興味を持たないでしょう。
実際に日本語を教えてみればわかりますが、どんなに申し分のない学歴、経歴、修了証書等があってもしっかりとした教えるスキルを身につけていなければ、困るのは学習者であり何より苦しむのは教師本人です。