[英語を使った間接法]と[日本語だけで教える直接法]

本日本語教師養成講座では海外では主流の英語を使った間接法と日本語だけで日本語を教える直接法の2つを学習します。

(1)英語を使った間接法

間接法(Indirect Method)と呼ばれる英語を媒介語とした日本語教授法は英語圏の国の公的な教育機関では日本語教師になるためには間接法での授業ができること、すなわち英語を使って日本語が教えられることが教師採用の条件になっています。

WJLCの教授法では英語を媒介語として使うため、英語圏における日本語教育の需要に応えられます。

英語を媒介語にすることにより、英語との比較の中で日本語を客観的に分析できます。

他言語を対照とすることではじめて日本語の分析的な説明が可能になりますが、これは日本語を日本語だけで教える直接法ではできません。本講座は日本語学習者の視点で学習していくカリキュラムなので、通信のテキスト・学習教材がそのまま実際の日本語教室で使え、日本語教授法を通信教育で学びながら同時進行で日本語学習者に日本語を教えることができます。また、学習内容の多くは日本語教育能力検定試験対策にも役に立ち、これもWJLCの大きな特徴です。

日本語教師は日本語の文法知識に関してもプロであるわけですが、実際には日本語の文法説明が苦手だという教師が少なからずいます。それは、自分の文法知識をどのように学習者に説明すればよいかがわからないからです。その点、WJLCのテキストを使って授業をすればテキストにある文法説明・解説文を読ませるだけで日本語学習者は文法が理解できるシステムになっており、教師もその箇所を覚えることでどんな文法も容易に説明できるようになります。英語を媒介語にする間接法を学ぶことで、他言語、例えばフランス語やスペイン語を媒介語にして日本語を教える際にも応用できます。その上、英語を媒介語にすることで、教師は英語の文構造や文法の学習になり英語力が飛躍的に伸びます。

媒介語を使うということはけっして対訳法を行うということではありません。同類の語でも文化言語が異なれば意味や用法においても異なってくるのは当然です。

実は媒介語を使う利点はそこを説明し補える点にあります。例えば、学習者が既に母語(英語)の構造を意識している場合、学習者の母語(英語)を使って日本語の構造を教えることは合理的でわかりやすく最も自然な方法といえます。特に初級の学習者の場合、学習を定着させる際に学習者の言語を媒介語にして理解させることは重要です。

420時間日本語教師養成講座の前半の日本語教師養成一般講座(通学・通信とも)ではこの英語を媒介語にした日本語教授間接法を中心に学習します。学習者の需要に比べて英語を媒介語にした日本語教授法を教えるところは少なくこの教授法を習得できるのが本講座の特徴でもあります。もちろん日本語で日本語を教える直接法も一般講座の中で学習しますから、日本語学習、あるいは日本語教育機関のどのような教授法の要望にも応じられます。

【間接法による教授法の利点】

  1. 抽象的な意味の語句や文法事項を説明できる。
  2. 直接法と比べて説明の時間が短縮できる。
  3. 学習者が学習項目をどれだけ理解できているか把握しやすい。
  4. 日本語と英語の言語差異が明瞭で、日本語で日本語を教える際に起こる目的と手段の混同が避けられる。
  5. 学習者の母語と日本語との言語構造上の相違が理解できることにより、早期に母語と区別して認識できる。
  6. 英語力のアップ

格安で充実した両教授法の習得は日本語教師になる、日本語を教えるという夢の実現への大きな第一歩となります。

日本語教師の資格については「よくある質問」をご参照ください。

(2)日本語を日本語だけで教える直接法

直接法(Direct Method)と呼ばれる日本語で日本語を教える教授法は日本にある日本語教育機関で採用されていますが、本講座では一般講座の後半で直接法も学習します。学習者の母語が共通の場合は間接法の方が初級者には効果的であることは否めませんが、通常日本にある日本語クラスの学習者は様々な母語をバックグラウンドにしており、共通の媒介語がありません。従って目標言語である日本語が共通語の役割をします。ただし、日本人であれば日本語が教えられるというものではありません。話せることと教えることは全く別のスキルです。本講座では最初に英語を媒介語とした間接教授法を学習しますから、日本語で日本語を教える直接教授法の理解・習得もその分はやくでき、間接法と直接法の違いとそれぞれの長所もわかるようになります。

【直接法の利点】

  1. 日本語に触れる時間が長い。
  2. 自然な日本語をそのまま受け入れやすい。
  3. 学習項目が記憶に残りやすい。
  4. 目標言語と手段の言語が同じである。
  5. 母語がそれぞれ異なる学習者にも日本語を共通語に教授できる。
  6. 海外のどこの国に行っても教えられる。